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[「My Library!」76]

2024年3月20日
『My Library』へようこそ♪令和6年1月1日に震度7を観測した石川県能登半島地震地震から2ヵ月半が経ちました。
「人の噂も七十五日」というように、「世間がいろいろと噂をするのも一時のこと。2、3ヶ月もすれば忘れて話題にしなくなる」では、ダメなんですよね!今回は以前読んだ震災をテーマにした小説を2冊紹介します。


■『絶唱』 湊 かなえ (著)

悲しみしかないと、思っていた。でも。死は悲しむべきものじゃない……南の島の、その人は言った。心を取り戻すために、約束を果たすために、逃げ出すために。忘れられないあの日のために。別れを受け止めるために……。「死」に打ちのめされ、自分を見失いかけていた。そんな彼女たちが秘密を抱えたまま辿りついた場所は、太平洋に浮かぶ島。そこで生まれたそれぞれの「希望」のかたちとは? 喪失?から、物語は生まれる……。「楽園」「約束」「太陽」「絶唱」の4つの連作短編小説。

阪神・淡路大震災を経験した4人の女性の視点から物語が語られていく……、それぞれに心の傷をおったひとたちが、南太平洋のトンガへやってくる。3つの話しが、ラストの「絶唱」でまとまる。湊さんは、実際にトンガへ海外青年協力隊として滞在していたそうで、この話は実体験の小説ではないかと思った。湊かなえさんは、イヤミスで有名だが、この小説は後味の悪さを感じなかった。


■『また次の春へ』 重松 清 (著)

冬を越えたあとに待つ春を、また思う。次の春も、また次の春も、おだやかな暖かい日がつづくといい。「また次の春へ」より

終わりから、始まる。厄災で断ち切られたもの、それでもまた巡り来るもの。喪失の悲しみと、再生への祈りを描く、7つの小さな物語。

東日本大震災をテーマにして書かれた7つ短編集。震災で傷ついた人たちを題材にした短編集は、どの話もリアルすぎて胸が痛くなりました。実際に被災地に行って取材して書いたのだろう?被災した方にしかわからない心のうちを気づかされました。いろいろな悲しみを持ちながらも、次の春へ進んでいかなければいけない、「生きる」ことについて考えさせられる一冊です。

小学3年生、母を亡くした夜に父がつくってくれたわが家のトン汁を、避難所の炊き出しでつくった僕。東京でもどかしい思いを抱え、二カ月後に縁のあった被災地を訪れた主婦マチ子さん。あの日に同級生を喪った高校1年生の早苗さん。ふるさとをけがされ、避難指示の中で開かれたお盆の夏祭りで逡巡するノブさん。かつての教え子が亡くなったことを知り、仮設住宅に遺族を訪ねていく先生。行方不明の両親の死亡届を出せないまま、自分の運命を引き受けていこうとする洋行……。未曽有の被害をもたらし、日本中が揺れた東日本大震災……。それぞれの位置から、それぞれの距離から、再生への光と家族を描いた珠玉の短篇集。

震災の被害にあった方ではなく、何にも被害に見舞われず、そういえばそんな地震あったよね〜、みたいに考えてしまっている方におすすめします。ニュースに流れる映像はその時だけの瞬間で、後には目に見えない心の傷や穴が無数に存在しています。読んだだけで、当たり前に感謝できる、前を向いて進まなければならない一冊です。

「あの日、あの場所にあった当たり前の普通の暮らしが、あまりにも無残に打ち砕いた震災、ようやく余震も収まりつつありますが、復興はこれからです。心の傷も深く刻まれ、つらい日々を送られてると思うと胸が痛みます。時間がかかるでしょうが、一日も早く、安定した日常と心の平和、笑顔を取り戻されますようお祈り申し上げます」


――つづく。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

今回のおすすめN3は、第6426回終了現在、第6324回より102回出現なしのボックスペア未出現1位[12]狙いで 5点。

[221] [241] [261] [271] [281]


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「人の噂も七十五日」というように、「世間がいろいろと噂をするのも一時のこと。2、3ヶ月もすれば忘れて話題にしなくなる」では、ダメなんですよね!今回は以前読んだ震災をテーマにした小説を2冊紹介します。


■『絶唱』 湊 かなえ (著)

悲しみしかないと、思っていた。でも。死は悲しむべきものじゃない……南の島の、その人は言った。心を取り戻すために、約束を果たすために、逃げ出すために。忘れられないあの日のために。別れを受け止めるために……。「死」に打ちのめされ、自分を見失いかけていた。そんな彼女たちが秘密を抱えたまま辿りついた場所は、太平洋に浮かぶ島。そこで生まれたそれぞれの「希望」のかたちとは? 喪失?から、物語は生まれる……。「楽園」「約束」「太陽」「絶唱」の4つの連作短編小説。

阪神・淡路大震災を経験した4人の女性の視点から物語が語られていく……、それぞれに心の傷をおったひとたちが、南太平洋のトンガへやってくる。3つの話しが、ラストの「絶唱」でまとまる。湊さんは、実際にトンガへ海外青年協力隊として滞在していたそうで、この話は実体験の小説ではないかと思った。湊かなえさんは、イヤミスで有名だが、この小説は後味の悪さを感じなかった。


■『また次の春へ』 重松 清 (著)

冬を越えたあとに待つ春を、また思う。次の春も、また次の春も、おだやかな暖かい日がつづくといい。「また次の春へ」より

終わりから、始まる。厄災で断ち切られたもの、それでもまた巡り来るもの。喪失の悲しみと、再生への祈りを描く、7つの小さな物語。

東日本大震災をテーマにして書かれた7つ短編集。震災で傷ついた人たちを題材にした短編集は、どの話もリアルすぎて胸が痛くなりました。実際に被災地に行って取材して書いたのだろう?被災した方にしかわからない心のうちを気づかされました。いろいろな悲しみを持ちながらも、次の春へ進んでいかなければいけない、「生きる」ことについて考えさせられる一冊です。

小学3年生、母を亡くした夜に父がつくってくれたわが家のトン汁を、避難所の炊き出しでつくった僕。東京でもどかしい思いを抱え、二カ月後に縁のあった被災地を訪れた主婦マチ子さん。あの日に同級生を喪った高校1年生の早苗さん。ふるさとをけがされ、避難指示の中で開かれたお盆の夏祭りで逡巡するノブさん。かつての教え子が亡くなったことを知り、仮設住宅に遺族を訪ねていく先生。行方不明の両親の死亡届を出せないまま、自分の運命を引き受けていこうとする洋行……。未曽有の被害をもたらし、日本中が揺れた東日本大震災……。それぞれの位置から、それぞれの距離から、再生への光と家族を描いた珠玉の短篇集。

震災の被害にあった方ではなく、何にも被害に見舞われず、そういえばそんな地震あったよね〜、みたいに考えてしまっている方におすすめします。ニュースに流れる映像はその時だけの瞬間で、後には目に見えない心の傷や穴が無数に存在しています。読んだだけで、当たり前に感謝できる、前を向いて進まなければならない一冊です。

「あの日、あの場所にあった当たり前の普通の暮らしが、あまりにも無残に打ち砕いた震災、ようやく余震も収まりつつありますが、復興はこれからです。心の傷も深く刻まれ、つらい日々を送られてると思うと胸が痛みます。時間がかかるでしょうが、一日も早く、安定した日常と心の平和、笑顔を取り戻されますようお祈り申し上げます」


――つづく。

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今回のおすすめN3は、第6426回終了現在、第6324回より102回出現なしのボックスペア未出現1位[12]狙いで 5点。

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