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[「My Library!」67]

2023年4月12日
『 My Library 』へようこそ〜♪「全国書店員が選んだ いちばん!売りたい本 本屋大賞」2023年度の本屋大賞の発表は本日4月12日(水)だ。楽しみだなぁ。ノミネート作品10作のうちまだ5作しか読んでいないが、どの作品もおもしろくて甲乙つけがたい。私的に強いて言えば、大賞は凪良ゆうさんの『汝、星のごとく』かな?2年連続2位の青山さんの『月の立つ林で』や町田さんの『宙ごはん』もおもしろく上位に入りそうだ?今回はノミネートされた作品から2作を紹介しよう。


■『光のとこにいてね』 一穂 ミチ(著)

古びた団地の片隅で、彼女と出会った。彼女と私は、なにもかもが違った。着るものも食べるものも住む世界も。でもなぜか彼女が笑うと、私も笑顔になれた。彼女が泣くと、私も悲しくなった。彼女に惹かれたその日から、残酷な現実も平気だと思えた。ずっと一緒にはいられないと分かっていながら、一瞬の幸せが、永遠となることを祈った。どうして彼女しかダメなんだろう。どうして彼女とじゃないと、私は幸せじゃないんだろう……。

一穂さんの小説は『スモールワールズ』に続いて2冊目。家庭環境の全く違う2人の少女、結珠(ゆず)と果遠(かのん)、小学2年生の出会いから、高校1年生、そして29歳になって再会した時までの話。シロツメクサの結珠、インコの羽の果遠の視点で交互に話は進んでいく。女性同士の愛(調べてみると百合?)の小説は、初めて読んだ。凪良さんの小説とよく似ており、流行りなのか?の毒親も登場。読みやすくてサラサラ読めるが、うーむ、都合が良すぎ?偶然すぎる再会?睡眠薬ってそんなにすぐ効くの?なんて突っ込みどころはあったが、おもしろかった。ラストは、瀬々ちゃんが可哀そうだが……、ハッピーエンドになるのかなぁ?あぁ余韻が残る。
おすすめ度は、★4つ。


■『宙ごはん』 町田 そのこ(著)

育ての母(風海)と産みの母(花野)。ふたりの母親に育てられた宙は、花野と暮らすことになる。一話ごとに時を進めながら、さまざまな人との出会いと別れ、そして互いとの関わりあいを通して、宙はもちろん、花野も次第に精神的な成長を遂げていく姿を描く。

町田さんの小説は、本屋大賞を受賞した『52ヘルツのクジラたち』に続いて2冊目。登場人物がみな複雑な家庭環境で暗くて重い話ばかりだが、魔法のような温かい料理でふんわり心が軽くなる。やっちゃんがとてもかっこよくて、やさしくて何度も泣けた。誰かのために食事を作ることの喜びが、切実なくらい伝わってくる。刺さる言葉も多く、やっちゃんが花野との微妙な関係を「しあわせの山が違う」と山登りにたとえて語る場面や「謝罪は自分の事を許してもらうためで、被害者にとっては暴力と同じ」は、なるほどだなぁと思った。
おすすめ度は、★5つ。


――つづく。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

今回のおすすめN3は、第6184回終了現在、第6040回より144回出現なしの[88]ダブル狙いで 5点継続。

[588] [788] [868] [881] [883]


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『 My Library 』へようこそ〜♪「全国書店員が選んだ いちばん!売りたい本 本屋大賞」2023年度の本屋大賞の発表は本日4月12日(水)だ。楽しみだなぁ。ノミネート作品10作のうちまだ5作しか読んでいないが、どの作品もおもしろくて甲乙つけがたい。私的に強いて言えば、大賞は凪良ゆうさんの『汝、星のごとく』かな?2年連続2位の青山さんの『月の立つ林で』や町田さんの『宙ごはん』もおもしろく上位に入りそうだ?今回はノミネートされた作品から2作を紹介しよう。


■『光のとこにいてね』 一穂 ミチ(著)

古びた団地の片隅で、彼女と出会った。彼女と私は、なにもかもが違った。着るものも食べるものも住む世界も。でもなぜか彼女が笑うと、私も笑顔になれた。彼女が泣くと、私も悲しくなった。彼女に惹かれたその日から、残酷な現実も平気だと思えた。ずっと一緒にはいられないと分かっていながら、一瞬の幸せが、永遠となることを祈った。どうして彼女しかダメなんだろう。どうして彼女とじゃないと、私は幸せじゃないんだろう……。

一穂さんの小説は『スモールワールズ』に続いて2冊目。家庭環境の全く違う2人の少女、結珠(ゆず)と果遠(かのん)、小学2年生の出会いから、高校1年生、そして29歳になって再会した時までの話。シロツメクサの結珠、インコの羽の果遠の視点で交互に話は進んでいく。女性同士の愛(調べてみると百合?)の小説は、初めて読んだ。凪良さんの小説とよく似ており、流行りなのか?の毒親も登場。読みやすくてサラサラ読めるが、うーむ、都合が良すぎ?偶然すぎる再会?睡眠薬ってそんなにすぐ効くの?なんて突っ込みどころはあったが、おもしろかった。ラストは、瀬々ちゃんが可哀そうだが……、ハッピーエンドになるのかなぁ?あぁ余韻が残る。
おすすめ度は、★4つ。


■『宙ごはん』 町田 そのこ(著)

育ての母(風海)と産みの母(花野)。ふたりの母親に育てられた宙は、花野と暮らすことになる。一話ごとに時を進めながら、さまざまな人との出会いと別れ、そして互いとの関わりあいを通して、宙はもちろん、花野も次第に精神的な成長を遂げていく姿を描く。

町田さんの小説は、本屋大賞を受賞した『52ヘルツのクジラたち』に続いて2冊目。登場人物がみな複雑な家庭環境で暗くて重い話ばかりだが、魔法のような温かい料理でふんわり心が軽くなる。やっちゃんがとてもかっこよくて、やさしくて何度も泣けた。誰かのために食事を作ることの喜びが、切実なくらい伝わってくる。刺さる言葉も多く、やっちゃんが花野との微妙な関係を「しあわせの山が違う」と山登りにたとえて語る場面や「謝罪は自分の事を許してもらうためで、被害者にとっては暴力と同じ」は、なるほどだなぁと思った。
おすすめ度は、★5つ。


――つづく。

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今回のおすすめN3は、第6184回終了現在、第6040回より144回出現なしの[88]ダブル狙いで 5点継続。

[588] [788] [868] [881] [883]

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